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2017-03-19 の記事 - 2017-03-19
籠池氏の証人喚問ですが、私は特に期待していません。自民党が同意した以上、籠池氏を呼んでもダメージを受けないような準備が整っていると考える方が自然であり、自民党にとっては籠池氏に責任や汚点、嘘つきの烙印を押し付け、一連の問題ごと切り捨てても何のダメージもありません。
偽証ができないこととされている証人喚問の席で「なかった」と言わせれば、それが事実にせよ虚偽にせよ否応なく説得力を持ってしまいますし、あるいは逆に籠池氏に明らかな虚偽事実をベラベラしゃべらせて大嘘つきに仕立て上げ、追及を全部無力化してしまうことすら可能です。
野党は無理にこれを突破口にしようとするよりも、籠池氏が真実を語ろうとも、嘘八百を並べ立てようとも、問題があったと証言しようとも、なかったと証言しようとも、安倍一派の切り捨てに怒って報復する気であろうとも、逆に懐柔済みであろうとも、どう出てきたとしても無関係に、内閣追及を継続できる姿勢を整えておくべきです。
ここで無傷のまま逃げられれば、マスコミのコントロールはより強化され、問題が報道されることはもはや期待できなくなりますし、緊急事態条項も十分に射程範囲内となるでしょう。あのような異様な教育が行われるような国こそが安倍一派や日本会議の理想ですが、その狂った理想の世界に行き着くまでの距離はもう決して長くないのです。

人権電話相談、英語・中国語→6カ国語対応に 法務省

これ自体はよいことです。
ただし、いくら相談対応言語を増やしたところで、相談の効果が薄ければ仏作って魂入れずというものです。街角でのヘイトデモから一対一での人種差別に至るまで、差別によって蹂躙されている人はいくらでも存在しますが、問題はそうした卑劣な加害行為に対し、何か有効な手立てを打てているのか否かです。
街角でのヘイトデモは市民活動の結果として減少しましたが、震災時には虐殺扇動デマが飛び交い、障碍者虐殺事件や透析患者を殺せといった異様な行為や言葉が横行し、沖縄ヘイトが平然と電波に乗って垂れ流され、ヘイト学校法人と政治が懇ろなどというのは、状況としては明らかに異質な方向へと進んでいると言うことができるでしょう。
異常事態だから相談言語を拡張するのだとすれば、それはそれで教科書的な意味で正しい対応ではありますが、現実的にはあまり意味のあるものとはなりません。結局、これでどれだけ加害を食い止められているか、言語を増やすことでより加害を食い止められるのかどうかが重要なのです。

さて、最近話題になっている宅配業者の負担と値上げの話。
これを「アベノミクスの成果」などと称する、「良いことは神様のおかげ、悪いことは努力が足りないから」と同等のことを言う無能者のおかげで、もはや安倍氏の経済政策や内閣は「信仰」の類であることがよく分かりましたが(*)、今回これは置いておきましょう。
値上げ自体は支持しますが、それで解決する問題ではありません。無理がある状態で少々の価格転嫁を行ったとしても、せいぜい無理な状況を若干遅延させる程度の効果しかないでしょう。それより問題は、日本社会が妙な価値観から脱却できるかどうかです。

(*)悪いことに対する例: 麻生氏「(結果を)出していないのは、よほど運が悪いか、経営者に能力がないから」
良いことに対する例: 菅氏「ネット通販の急成長と昨今のアベノミクスの成果で、需要・供給両面から宅配、運送業のコストが高まってきている」

私は海外のパッケージ版ソフトウェアが欲しい場合に輸入することがありますが、その場合の発送は必ずしも十分なサービスと呼べるものではありません(なお、海外では現地の業者、日本に入ってからは日本郵便の取り扱いになるので、日本に来てからの扱いは通常の郵便物と同様)。理論上は1週間ほどで十分なはずが、発送通知後3週間ほど待たされても怒らない寛容さが必要ですし、インターネット上ではなかなか悲惨な目にあった人の体験談などもちらほら見かけることができます。
日本のサービスは世界一、であるかまでは分かりませんが、こと運送に関しては非常に高い水準のサービスとなっていることは間違いないでしょう。
しかし、日本没落の結果として異様な日本スゴイ論が吹き荒れる中、考えもなしに「さすが日本はスゴイ!世界が驚く日本!」などと反応するようではどうしようもありません。はっきり言ってそんなものは、博多で危険な陥没事故が発生したにもかかわらず「あっという間に復旧がなされた!日本スゴイ!」と適当なことを吹聴していた連中と何も変わらず、無益などころか有害です。運送業が切羽詰まった状況にまで追い込まれてしまっている現状を考えれば、ここは逆に「日本の恥だ」と考える方が正解だと言っても過言ではありません。
非常に良質なサービスを低価格で受けることは、普通は不可能です。それが実現しているとするならば、どこかに必ずそのしわ寄せを受けている人がいます。今回問題となっている宅配業界はもとより、飲食店業界などでも問題になったことがありますが、まさにそれを被るのが業界の末端の人々であるわけです。世界一のサービスとやらは、誰かを足蹴にすることによって実現されているのです。
ちなみに、これは最近見直されているという「古き良き地域コミュニティ」的なものに関しても同様で、どうしてこれが一部の人にとって非常に良いもので、しかも(少なくとも都市部では)崩壊したかというと、そのために犠牲になる人々がいたからです。このところ、日本を「古き良き時代」に戻そうとする人々が嫌というほど醜態をさらしていますが、単純に時計の針を戻すことがあってはならないのです。
非常に高い水準の利用料金を支払うのが嫌ならば、ほどほどのサービスで満足するようにしなければ、運送業から飲食店、交通業、その他様々な業界が抱えるこの種の問題が解決することはないでしょう。これはつまり、上記の通り「低価格で世界一のサービス、日本スゴイ」から「低価格で世界一のサービス、日本の恥だ」への価値観の大転換が必要であり、相当に困難なのは確かです。
普段はおもてなしなどと言いつつ、肝心の外国人には散々ヘイトスピーチをくれてやっておいてサービスもないものですが、こと国内向きな部分について言うならば、今の日本に必要なのは「おもてなしの精神」とやらではなく、「おもてなしなどクソくらえの精神」です。