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2017-05-06 の記事 - 2017-05-06
NHK世論調査 憲法の改正 必要43% 必要なし34%

憲法変えるかの議論 “深まっていない”が3分の2

かなり危険な状況です。

現在の自民・日本会議一派にとって、もはや9条改正は悲願でもなんでもありません。憲法違反の法律を無理やり通し、それを国民が追認してしまった以上、必要があればまた憲法を無視すれば足りるのであり、せいぜい「別に変えなくてもいいが、変えた方が気分が良いので機会があれば変えたい」という、部屋のカーテンの色か何かを変えるのと同程度の存在でしかありません。
自民・日本会議一派にとっての本丸は、あくまで緊急事態条項に他なりません。共謀罪は最後から2歩目で、その後は最後の1歩である緊急事態条項をごり押ししてくるであろうことなど、少しでも物を知っている人なら誰でも予想していたことでしょうし、実際にそうなるでしょう。
緊急事態条項が通ればもはや終わりです。そして当然、これさえ通してしまえば後はどうにでもできると知っている自民・日本会議一派は、あらゆる詭弁や見せかけの譲歩を用いて緊急事態条項を通そうとしてくるでしょう。
そのために使い勝手が良いのが9条の存在です。9条の改正を最大の論点であるかのように位置づけ、国民の注目や反対派の批判の矛先を9条に向けさせておいて、これを改正しないか現状追認程度の改正にとどめると表明すれば、さも唯一最大の問題が解決されたかのような印象を与えることができ、かつ反対派は批判の手立てを失います。すでに無力化されていて主要な論点ではない9条の改正を譲歩の材料とすることで、たやすく本丸を落としてしまえるのです。
現行憲法に定められている基本的人権その他の規定、立憲主義などに関しても同様です。現在の自民案に見られる、立憲主義を無視したり、人権を制限したり、国民を縛るような規定などは、緊急事態条項を通す上で邪魔になると見たら緩和または削除してしまうこともあり得るでしょう。とにかく緊急事態条項さえ通してしまえば、基本的人権など後でいくらでも踏みにじることができます。その場合に縛りとなるものがあるとすれば、同条項内の「最大限に尊重されなければならない」という具体性も何もない有名無実的な文言だけです。

以上はいずれも、ここでかねてから述べてきたことの繰り返しでしかありませんが、今回のNHK世論調査は私の危惧を完全に裏づけるものとなっています。

>9条改正「必要」25% 「必要ない」57%

もし9条を守るべきと考えるのであれば、違憲の法律を通された後の選挙で与党側を敗北に追い込むしかありませんでした。国民はその最後の機会を与えられていながら、それをわざわざ自分の手で放棄した以上、もう自民・日本会議一派の目的は達せられており、「名(9条改正)を捨てて実(緊急事態条項)を取る」ためであれば、彼らは9条改正に対して無制限の譲歩が可能となっています。
無論、自民・日本会議一派に「名」も取らせないために9条を守ることは否定しませんが、それは「実」を守れて初めて意味を成すものです。まずは「実」を取らせないようにする必要があります。

>国民が憲法で国家権力の行使の在り方を定める「立憲主義」について、憲法解釈や憲法改正を議論するにあたって重視すべきかどうか聞きました。「重視すべきだ」が65%、「重視する必要はない」が7%、「どちらともいえない」が14%でした。

今の自民党案は立憲主義も何もあったものではない内容となっていますが、必要に応じて立憲主義を無視した改正案を破棄または緩和して譲歩の姿勢を見せることは、自民・日本会議一派にとっては許容できる範囲でしょう。
ただ、おそらく自民・日本会議一派が2番目に狙っているのがここで、9条よりもこちらの方が重要とみなしているはずですので、通せる見込みがあるようなら積極的に通そうとしてくる可能性はあります。「公共の福祉」が全く異なる概念である「公益」にすり替えられていたり、拷問の禁止から「絶対に」が消えていたりと、極めて露骨な内容となっているため、通れば終わりの緊急事態条項に比べればいくらかマシとしても害悪は極めて大きく、到底認められるものではありません。

>テロや大きな災害などが起きたときに、政府の権限を強める「緊急事態条項」については、憲法に加えるべきだという意見がある一方で、法律で十分対応できるので、憲法を変える必要はないという意見もあり、どちらの意見に近いか聞きました。
>「憲法に加えるべきだ」という意見に、「近い」と「どちらかといえば近い」を合わせると53%、「憲法を変える必要はない」という意見に「近い」と「どちらかといえば近い」を合わせると40%でした。


そしてこの通り、まさに危機的です。
要するに、9条や立憲主義の面で譲歩する姿勢さえ見せれば、もうこの瞬間にも緊急事態条項を含む憲法案を通せる可能性は高いわけです。しかも実際に改正の段となれば、テロや災害などの危機をさらに煽り立て、また教育など本来憲法とは無関係な規定を憲法に入れるなどのイメージ戦略も用いてくるはずですから、なおさら改正成立の危険は高くなります。

ここが終了に至る最後のステップです。踏みとどまることができるのか、それとも国民が「不断の努力」を忘れたらどうなるかを実践してみせることになるのか。後者の可能性が高いであろうと考える程度には、私はこの国について期待も信用もしていません。