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2017-06-17 の記事 - 2017-06-17
共謀罪。まさにデタラメを絵にかいたような異常な法案が、名前をテロ対策のように見せかけただけであっさり通過してしまいました。国民は相当侮られていますし、これでますます侮られるでしょう。
言うまでもなく大変なことですが、これですら自民・日本会議一派にとっては通過点でしかなく、最後から2歩目です。この次には最後の1歩である緊急事態条項が待っています。

民主主義とは何か。ごく簡単に言えば、本来なら全然難しくもないことをいちいち面倒にすることです。すぐにやればすぐにできることを、いちいち所定の手続きを踏み、書類や資料などを用意し、あれこれと回りくどい方法によって実行しなければなりません。ただ、そのおかげで失敗の可能性も最小限に抑制できるシステムでもあるわけです。
トランプ政権は早速、その壁に阻まれています。異常な大統領令などは三権分立によって無力化され、地方政治家などからも公然と反対の声が上がり、好き放題ができなくなっていますので、民主主義によるフェイルセーフがある程度正しく機能しているといえるでしょう。
日本ではそのようなことは全く期待できませんが、それでも国民には止める機会が与えられてきました。しかし、安保の時には野党を勝利させれば立憲主義を守る望みがありましたが、国民はその機会を自ら放棄しました。共謀罪に関しても、森友や加計の問題も浮上している状況であり、世論によって実質上通すことが難しい状況に追い込むことは可能でしたが、その機会すらも放棄しました。
終了へのラストステップである緊急事態条項に対しても、国民投票により踏みとどまる機会が設けられることでしょう。それでは、国民はその機会を生かすのでしょうか。それとも放棄するのでしょうか。

共謀罪が成立しても、その日からただちに暗黒の時代になるわけではありません。今後「共謀罪が成立したが、世の中何も変わらないじゃないか」と嘲笑する人間も出てくるでしょうが、そんなものは当たり前です。日没の直後に深夜となることはありませんが、民主主義の日没もそれと同じです。
そして私は、共謀罪はそれ単体でも十分に強い力を持ってはいるものの、緊急事態条項と合わせて手元に置いてこそ、その本来の破壊力を発揮できる武器であると考えています。
それでは、緊急事態条項が成立したらそれですぐに暗黒の時代になるのかというと、これもまたそうはならないでしょう。ただ、成立すれば終わりであることに変わりはありません。
緊急事態条項が通ることは、出口のない迷路に放り込まれるようなものです。アドベンチャーゲームで言うならば、同条項の成立はどうあがいても死ぬしかないルートに進んでしまうのと同じと考えればよいでしょう。その後も物語は何事もなかったかのように継続していきますし、その途中ではおそらく分岐も現れるでしょうが、どう進んでも最終的には死ぬしかありません。

今回をもって、戦後民主主義に張り巡らされてきたフェイルセーフ、「遊び」の部分はほぼ使いつくされました。これまでは何とか今までの民主主義の貯蓄で破滅だけは免れてきましたが、この次こそが本丸で、ここを落とされれば破滅が待っています。
なお当然ではありますが、共謀罪にせよ緊急事態条項にせよ危険性は少し調べればすぐに分かることで、踏みとどまる機会を自ら放棄して足を踏み出したなら、もはや後で他人のせいにはできません。これもまた民主主義というものです。

タイミングよく以下の判決も出ています。

稲田氏の上告棄却、敗訴確定 サンデー毎日記事

当然の判決ですが、それにしても昨日までの友達とつるんでいたことを書かれただけで「名誉棄損」呼ばわりなのですから。森友の時といい、よくもまあここまであっさり、しかも臆面もなく尻尾を切れるものです。
連中にとってはこういった「昨日までお友達であった鼻つまみ者」が一番邪魔なのです。ゴロツキ集団と組んでのし上がった成功者が、成功した途端に邪魔なゴロツキを始末するなどというのはフィクションですら定番ですし、昔から「狡兎死して走狗烹らる」という言葉もあります。それが「走狗」どころか無能な犬となればなおのこと。また、反対派だけを攻撃するとなると角が立つ場合、放っておいても邪魔なだけの身内をついでにゴミ箱に叩き込めば、批判を回避した上にゴミ処理までできるので一石二鳥です。
未だ「共謀罪に反対するのはテロを行おうとしている人間だけ」などといった寝言を言える人々のおめでたさにはあきれますが、この手の尻尾切りを見ても誰がターゲットなのか分からないとしたら、おめでたさも極まれりといったところでしょう。